2014/01/12(日)第18期Jr.STF選抜修練報告
この修練会の目的を一言で表現するなら、”自分のアイデンティティー(自分が誰なのか?)を知ること”です。そしてこれを考える上での前提は、「私は自分の意志で生まれたのではない」というものです。一般的に考えて、この命題を問うことはナンセンスなのかもしれません。既存の価値観において大半は「自分という存在はあくまでも自分である」という考えの中で生きていることを考えるとです。しかし人間誰一人として、自分の意志で生まれた人はいないという明白な事実に立ち戻ることで、多くのものの視点が変わります。具体的に表現するなら私の存在起源は両親です。その両親はまたその両親です。そしてその両親・・・となります。そしてもっと具体的には両親の愛情こそ私の誕生の根源であるということになります。それを遡っていくと人間の起源にぶつかり、その延長に創造主・原因者(神様)ということを考えざるを得ないのです。私という存在が両親の真心(愛情)から生まれ、その真心の中に神様がいらっしゃることを感じ、その方との関係を知ることが自己のアイデンティティを知り確立するということです。
第二日目には、体力意志力試験があります。これは男子で14~16KM,女子で12~14KMを走ります。体育系の部活をしている人は、これくらいの距離を走ることは容易いかもしれません。しかし、ただ走ることが目的ではありません。一番早く走ったからといって中心評価にはなりません。走る前には、この試験の目的を皆に良く確認する時間を持ちます。
私たちは日々の生活で、なかなか限界点に立つことが少ないですが、この試験はあえて体力的、精神的限界点を作り出すことを通して、その時の自分の心情(気持ち)と真摯に向き合います。自分の無力さや不足さに出会い、自分の利己心や傲慢さに出会い、自分が評価され、認められたいなどの不純な私に出会います。そのように見せられる私と向き合い、闘いながら自分を見つめる神様という存在を求め、その方の愛を求め、自分との関係性を実感として勝ち取ることが目的です。いわば肉体の限界を求めながら、精神的な服を脱ぐということです。
今回も走る子ども達の姿を通し、驚くべき感動のシーンをたくさん見ました。走っている時は、どのような状況でもその人に激励などの声を掛けることは一切しません。最後まで自分自身と闘いながら黙々と走る子ども達の姿は、本当に感動的です。そして走り終わった時、はじめて周りの兄弟姉妹がその人に寄り添い、労をねぎらう姿も美しいものです。ゴールした後は、その時感じた世界の余韻に浸りながら、感極まって号泣する子ども達も多くいました。